「賃貸の家賃がもったいないから」で住宅購入をしてはいけない理由
マイホーム購入は人生の中でもかなり大きなイベントですよね。
みなさんさまざまな憧れの暮らしがあると思います。
しかし、しっかりとした準備ができていないのに住宅ローンを組むことは、すごく危険な話なのです。
「マイホームを購入して失敗した」「マイホームを建てなきゃよかった」という声は絶対に聞きたくありません。
そこで今回は、住宅購入の際に必ず頭に入れておいていただきたいことをお伝えしていきます。
まずは、他のみなさんがどのようなきっかけで住宅を購入しているのかをランキング形式でお伝えします。
「家を買う理由ランキング(複数回答可)」
実際に「HOME'S」が調査を行ったデータによると、
1位:賃貸では家賃がもったいないと思ったから《57.8%》
2位:家が狭くなったから《27.1%》
3位:子どもができた(できる)《18.1%》
4位:もっと便利な場所に住みたくなったから《16.3%》
5位:金利や相場が買い時だと思ったから《15.3%》
6位:結婚した(する)《12.9%》
7位:社宅、寮を出る/転勤、転職する《11.0%》
8位:もっと教育環境がいい場所に住みたくなったから《9.1%》
9位:魅力的な物件の広告を見かけたから《7.3%》
このように、1位の「賃貸では家賃がもったいないと思った」は過半数の57.8%とダントツであり、世代別、家族構成別でも1位となっています。
実はこの購入動機は間違っている!?
確かに、毎月今の生活を守るために支払う「家賃」はもったいなく感じるかもしれません。
しかし、この理由でマイホームを購入して、家賃のようにもったいない支払いがなくなるかというと、そうではないんです。
例として【3,000万円を3%で30年間借りた場合】(実際にはこんなに金利は高くありません)を
以下の3つにまとめてみました。
1.住宅ローンの利息を支払わなければならない
当然、ローンを組むと「利息」がついてまわります。上の例で毎月10万円を返済に充てたとして、すごく簡単に計算すると、以下のようになります。
- 利息が75,000円
- 元金が25,000円
年利3%の1ヶ月分は・・・3%の1/12=0.25%(簡易的に1/12で計算)
1か月分の利息額は・・・3,000万円の0.25%=7.5万円
返済額の10万円-利息の7.5万円=元金の2.5万円
2.固定資産税を支払わなければならない
固定資産には、ご存知の通り土地、家屋、償却資産がありますが、これらの所有者に対してかかる地方税が固定資産税です。
こちらは多くの場合、
「固定資産税評価額(土地・家屋・償却資産の総評価額のこと)×1.4%」かかります。
例:(建物の総評価額が1,000万円だった場合)
「1,000万円×1.4%=14万円」
となり、年間で14万円となります。
3.購入した家の価値は年々下がっていく
こちらは必ず下がるというわけではなく、古い家屋などによっては上がる場合もあります。
しかし、定期的に行われる「評価替え」というものがあり、特別な理由がない限り、経年劣化で価値は下がっていきます。
ただし、この価値は「売りに出した場合」です。
大体の方が「一生ここに住む!」と決めて購入されると思いますので、そこまで大きな問題ではないと感じるかもしれません・・・。
(それでも資産価値としては下がっていきます)
本当に家賃がもったいないのか?
上の結果から家賃を支払っているより、面倒な支払がかなり増えることがわかると思います。
住宅ローンに至っては毎月利息が半分以上を占めており、家に払っていると思っていても、それは金融機関に支払っているのです。
まとめ
・・・何が言いたいかというと、住宅を購入する理由として適切なのは
- 「頭金を十分に払えるくらい貯金ができて、住宅購入後の資金繰りも余裕をもって計算できるようになった」
であるということです。
ファイナンシャルプランナーの方々は口をそろえて
「住宅ローンを組むなら十分な頭金を貯めましょう」
とアドバイスしています。
これは、頭金を入れることで借入額が小さくなって利息負担が軽減できるだけでなく、頭金を貯めることが住宅ローンを計画的に返済しながら家計を運営していくためのトレーニングになるからです。
「でも、どうせお金を払うならローンを組んでマイホームを買い、自分の資産にしたい」
まだそう感じる方もいらっしゃると思います。
もちろん無理なく返せる額にとどめてローンを組むのであれば問題ありません。むしろ住宅購入をおすすめします!
しかし、本当にお客様のことを考えた専門家の方々が口をそろえて言うのは
お金を貯めた経験がないなら、「家賃がもったいない」という短絡的な理由で家を買うのは避けるべきです。
とのことです。
家を買うことの最大のメリットは、年金生活に入り、現役時代より収入が大幅にダウンした時、家賃を払わなくてすむことだと思います。
ぜひ、せっかくのマイホームの購入に失敗だけはしないよう、今回お伝えした内容も頭の片隅にでも入れておいていただければ幸いです。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。